バイエルン対アーセナル
概要
バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)とアーセナル(イングランド)の対戦は、UEFAチャンピオンズリーグの舞台で2000年代半ばから2020年代にかけて繰り返された、欧州サッカーを代表する「クロスリーグのライバル対決」である。2004-05シーズンのラウンド16を皮切りに、2023-24シーズンの準々決勝まで、通算6回にわたってトーナメントやグループステージで激突しており、バイエルンが圧倒的な対戦成績の優位を占めている。とりわけ2010年代半ばにアーセナルがラウンド16で相次いでバイエルンに敗れたことで、「バイエルンの天敵関係」という物語が定着した。
主な内容
歴代対戦年表
- 2004-05 ラウンド16: バイエルンが3-1で勝利(第1戦)、アーセナルが1-0で勝利(第2戦)。合計3-2でバイエルンが準々決勝進出。
- 2012-13 ラウンド16: アーセナルが1-3で敗戦(第1戦)、バイエルンが0-2で敗戦(第2戦)。合計3-3だったが、アウェーゴールでバイエルンが上回り進出。このシーズン、バイエルンはトレブルを達成した。
- 2013-14 ラウンド16: アーセナルが0-2で敗戦(第1戦)、バイエルンが1-1で引き分け(第2戦)。合計3-1でバイエルンが進出。
- 2015-16 グループステージ: アーセナルが2-0で勝利(ホーム)、バイエルンが5-1で勝利(ホーム)。グループステージでは両チームがそれぞれホームで勝利した。
- 2016-17 ラウンド16: バイエルンが5-1で勝利(第1戦)、アーセナルが1-5で敗戦(第2戦)。合計10-2は、両チームの対戦史上最大の点差。
- 2023-24 準々決勝: 2-2で引き分け(第1戦、エミレーツ)、バイエルンが1-0で勝利(第2戦)。合計3-2でバイエルンが準決勝進出。
対戦成績と特徴
チャンピオンズリーグ基準で両チームは12試合で対戦し、バイエルンが7勝2分3敗、得点数でも約27-13と大きく上回っている。アーセナルの勝利は2004-05の第2戦、2015-16のホーム戦など数えるほどしかなく、トーナメントの勝負では一度もバイエルンを破って次のラウンドに進めなかった。アーセナルは2012-13、2013-14、2016-17シーズンと相次いでラウンド16でバイエルンに敗退し、「ラウンド16のジンクス」の象徴的な相手としてバイエルンを思い浮かべるようになった。
戦術・構図分析
バイエルンはポゼッションとサイド・中央の切り替え、強い前方へのプレッシングでアーセナルのビルドアップを揺さぶった。とりわけ2016-17の2試合ではレヴァンドフスキ、ロッベン、チアゴ、ビダルらが中心となり、アーセナルの最終ラインを完全に崩壊させた。一方、アーセナルはホームでの速い攻守の切り替えとセットプレーで対抗し、2023-24準々決勝の第1戦ではサカとトロサールの得点で2-2の引き分けに持ち込み、過去とは異なる競争力を見せた。しかし第2戦ではキミッヒの決勝ヘディングに屈し、再び苦杯をなめた。
主要人物とエピソード
マヌエル・ノイアー、トーマス・ミュラー、ロベルト・レヴァンドフスキらがバイエルンの象徴的な得点・守備の軸として活躍し、アーセナルではティエリ・アンリが2004-05の第2戦で決勝ゴールを決め、唯一の「バイエルン撃破」の立役者の一人として残っている。2023-24準々決勝ではハリー・ケインがPKで得点し、かつてのリーグのライバル相手に存在感を示すと、第2戦の決勝ゴールを決めたキミッヒが新たな「アーセナル・キラー」として浮上した。
最新動向
2023-24シーズンの準々決勝は7年ぶりに実現した対戦であり、アーセナルがミケル・アルテタ体制で初めてバイエルンと激突した舞台でもあった。第1戦の2-2の引き分けで「今回は違う」という期待が生まれたが、第2戦でアリアンツ・アレーナにおいて0-1で敗れ、バイエルンの優位が再確認された。2024-25シーズンはバイエルンがヴァンサン・コンパニ監督体制で、アーセナルがアルテタ体制を継続し、それぞれリーグ優勝争いとチャンピオンズリーグの上位ラウンド進出を狙っているため、今後再び同じ舞台で対戦することになれば、これまでとは異なる様相の接戦が予想される。アーセナルがここ数シーズン、プレミアリーグの上位戦力を維持するなか、過去の「一方的な劣勢」という認識は次第に「新たな競争関係」へと変わりつつあるという評価が出ている。
関連主題
- [[バイエルン・ミュンヘン]]
- [[アーセナルFC]]
- [[UEFAチャンピオンズリーグ]]