城南市
概要
城南市(ソンナムし、성남시)は、大韓民国京畿道中南部に位置する人口約90万人規模の大都市で、ソウル特別市の南東側に隣接している。1970年代の広州大団地造成により急成長した後、1990年代には盆唐(プンダン)ニュータウン、2000年代には板橋(パンギョ)ニュータウンを相次いで開発し、首都圏南部を代表する計画都市であると同時にIT・先端産業の中心地としての地位を確立した。寿城区(수정구)・中院区(중원구)・盆唐区(분당구)の3つの区で構成され、南漢山城と炭川(タンチョン)、板橋テクノバレーなど、歴史・自然・産業の資源を同時に有している。
主な内容
歴史と形成過程
城南地域は朝鮮時代まで広州府(광주부)管轄の山間・農村地域であった。1960年代後半、ソウルの無許可バラック村の撤去住民を移住させるための広州大団地(광주대단지)造成計画が推進され、1971年の移住過程で大規模なデモであるいわゆる「広州大団地事件」が発生した。その後、1973年7月に広州郡城南出張所が城南市に昇格し、独立した行政区域となった。1989年に寿城区と中院区に分区され、1991年に盆唐ニュータウン開発計画が発表されると、1990年代の初めから半ばにかけて大規模なアパート団地が建設された。2001年に盆唐区が新設され、2000年代には板橋ニュータウンと板橋テクノバレーが造成され、都市の性格は産業中心へと拡大した。2010年代には慰礼(ウィレ)ニュータウンと高等洞(고등동)・金土洞(금토동)一帯の開発が進められた。
行政区域と地理
城南市は寿城区、中院区、盆唐区の3つの区に分かれる。寿城区と中院区は旧市街地で、老朽化した住宅地と伝統市場が密集しており、盆唐区はニュータウンと先端産業団地、高所得住宅地が集中する地域である。北はソウル松坡区(ソンパく)・江南区、東は広州市、西は義王市(ウィワンし)・水原市、南は龍仁市(ヨンインし)と接する。南漢山城と清渓山(チョンゲサン)、検丹山(コムダンサン)が都市の外郭を囲み、炭川が都市を南北に貫通する。炭川周辺は生態河川として復元され、遊歩道や自転車道として活用されている。
人口と住居
城南市の人口は1990年代の盆唐ニュータウン入居により90万人を超え、その後2010年代まで同程度の水準を維持したが、最近は緩やかな減少傾向にある。盆唐区は典型的な第1期ニュータウンでアパート中心の計画的な住居地であり、寿城区・中院区は戸建て住宅と多世帯住宅が混在する旧都心である。旧都心の再開発とニュータウン事業、盆唐の再建築が主要な都市政策の懸案となっている。
経済と産業
城南市経済の核心は板橋テクノバレーである。2000年代半ばに造成が始まって以降、国内最大規模のIT・ゲーム・バイオ企業の集積地へと成長し、ネクソン、エヌシーソフト(엔씨소프트)、クラフトン(크래프톤)などゲーム会社と多数のスタートアップ、ベンチャー企業が入居している。板橋第2テクノバレーと京畿創造経済革新センター、スタートアップキャンパスなども板橋一帯に位置する。盆唐区には大企業の研究所と金融・サービス業が、旧都心には伝統市場と小規模事業者の商圏が発達している。
交通
ソウル地下鉄8号線が牡丹駅(モラン駅)から板橋駅まで延伸され、旧都心とニュータウンを連結し、新盆唐線(신분당선)は板橋駅から亭子駅(チョンジャ駅)を経て江南へとつながる。京江線(경강선)と水仁・盆唐線(수인분당선)も城南区間を通過する。道路は京釜高速道路、ソウル外郭循環高速道路、龍仁ソウル高速道路が交差し、首都圏南部の交通の結節点としての役割を果たしている。ただし、通勤時間帯の恒常的な渋滞とソウル方面の広域バス需要の集中が長年の課題である。
文化と観光
南漢山城は2014年にユネスコ世界文化遺産に登録された代表的な歴史遺跡であり、丙子の乱(병자호란)の歴史的な現場である。盆唐中央公園、栗洞公園(율동공원)、書峴駅(ソヒョン駅)周辺の文化の通り、城南アートセンターなどが市民の余暇空間として活用されている。牡丹民俗五日場(모란민속5일장)、城南文化財団の各種の公演・展示も地域文化の軸を成している。
最新の動向
2024年3月、首都圏広域急行鉄道(GTX)-A路線の城南駅が開通し、ソウル三成駅(サムソン駅)までの移動時間が大幅に短縮され、板橋駅停車の議論と連携開発が続いている。同年、政府の第1期ニュータウン整備方針に伴い盆唐区の一部の団地が再建築先導地区に指定され、大規模な再建築の議論が本格化した。産業面では板橋を中心に人工知能・半導体・バイオのスタートアップ誘致競争が激化しており、城南市は「第4次産業特別市」を標榜し、企業誘致と規制緩和を推進している。また、旧都心と新都心の格差解消のための均衡発展政策、青年の住居支援、カーボンニュートラル都市の造成、慰礼・高等地区開発の仕上げなどが2025年現在の主要な懸案として扱われている。人口減少と高齢化、盆唐ニュータウンの老朽インフラの改善、板橋の交通難の緩和が中長期的な課題として残っている。
関連トピック
- [[盆唐区]]
- [[板橋テクノバレー]]
- [[南漢山城]]
- [[GTX-A]]
- [[京畿道]]
- [[第1期ニュータウン再建築]]