戦作権転換の適期
概要
戦作権(戦時作戦統制権)転換の適期をめぐる議論は、韓国軍が戦時作戦統制権を米国から返還される時期と条件に関する論争である。韓米同盟の安保環境の変化、韓国軍の独自の防衛能力強化、北朝鮮の脅威、米中の戦略競争などが絡み合い、転換の時期と方式について見解の相違が存在する。
主な内容
戦作権転換の背景
- 1950年の朝鮮戦争以降、国連軍司令部と韓米連合軍司令部体制の下で、韓国軍の作戦統制権は米軍に委任された。
- 1994年に平時作戦統制権は返還されたが、戦時作戦統制権は依然として米軍が保有している。
- 2007年の盧武鉉(노무현)政権時に2012年の転換に合意したが、2015年に延期され、2014年の朴槿恵(박근혜)政権で「条件に基づく転換」に再調整された。
賛成論拠(適期転換論)
- 国家主権の完成と自主国防の実現に向けた必須課題である。
- 韓国軍の独自の作戦遂行能力と指揮体系が向上した。
- 韓米同盟を水平的・包括的同盟へ発展させる契機となる。
- 米国の戦略的柔軟性を確保し、韓国の防衛負担を分担することができる。
反対論拠(慎重論)
- 北朝鮮の核・ミサイル脅威の高度化により、安保の不確実性が増大した。
- 韓国軍の監視・偵察・指揮統制能力がまだ十分ではないとの懸念がある。
- 転換時に韓米連合軍司令部の解体と連合防衛体制の弱体化の可能性が提起される。
- 米軍増派および拡大抑止の空白が生じ得る。
転換の条件と基準
- 2018年、韓米国防長官は「条件に基づく戦作権転換」の原則を再確認した。
- 主な条件は、韓国軍の核心的軍事能力の確保、韓米連合防衛体制の安定的転換、地域安保環境の変化などである。
- 韓米合同訓練と検証手続きを通じて、転換準備状況を評価する。
政治的争点
- 進歩陣営は転換速度の加速を、保守陣営は安保空白への懸念から慎重論を主張する。
- 大統領および国防長官の発言により、議論の方向と速度が変動する。
- 米国は韓国の能力と状況を考慮した転換を支持しつつ、転換後も韓米同盟の強化を強調している。
最新動向(2024-2025)
- 2024年の韓米国防長官会談で戦作権転換計画を再確認したが、具体的な時期は依然として未定である。
- 北朝鮮の核・ミサイル挑発の継続とロシア・北朝鮮の軍事協力の強化により、安保環境が悪化した。
- 韓国軍の独自の監視偵察能力強化事業(偵察衛星、高高度無人機など)が進展している。
- 米国の大統領選挙の結果とインド太平洋戦略の変化に応じて、転換議論の速度が調整される可能性がある。
- 国内政界で戦作権転換をめぐる攻防が続き、国防改革と連携した議論が続いている。
関連トピック
- [[戦時作戦統制権]]
- [[韓米連合軍司令部]]
- [[韓米同盟]]
- [[国防改革]]
- [[拡大抑止]]
- [[北朝鮮核問題]]