給与

労働の対価として支払われる金銭的報酬であり、賃金・手当・賞与を含み、労働法・税法・社会保障法が複合的に規律する領域

給与

概要

給与(給與)は、労働者が使用者に対して労働を提供した対価として支払われる金銭的報酬を総称する概念である。法律上は労働基準法上の賃金(賃金)と事実上同じ意味で用いられ、定期的・継続的に支払われる基本給と各種手当、賞与、成果給などを含む。給与は労働者の生計を支える核心的な所得源であると同時に、企業の主要な人件費項目であり、労働法・税法・社会保障法が複合的に規律する領域である。

主な内容

賃金の法的概念

労働基準法第2条第1項第5号は、賃金を「使用者が労働の対価として労働者に賃金、給料、その他いかなる名称であれ支払う一切の金品」と定義する。名称にかかわらず、①使用者に支払義務があり、②労働の対価として支払われ、③定期的・継続的に支払われる性質があれば、賃金として認められる。一方、実費弁償的な金品(出張費、業務用車両の維持費など)や福利厚生的・恩恵的な金品は、原則として賃金性が否定される。

賃金支払いの4大原則

労働基準法第43条は賃金支払いの原則を規定する。第一に、通貨で支払わなければならず、物品や手形で代替することはできない(通貨払いの原則)。第二に、労働者本人に直接支払わなければならない(直接払いの原則)。第三に、全額を支払わなければならず、法令や団体協約に根拠のない控除は認められない(全額払いの原則)。第四に、毎月1回以上、一定の日付に支払わなければならない(定期払いの原則)。

通常賃金と平均賃金

通常賃金は、定期的・一律的・固定的に支払われる賃金であり、時間外・深夜・休日労働手当、解雇予告手当、休業手当などの算定基礎となる。平均賃金は、算定事由が発生する前の3か月間に支払われた賃金総額をその期間の総日数で割った金額であり、退職金・災害補償・休業手当などの基準となる。両概念は算定方式と適用範囲が異なるため実務上の紛争が多く、2013年の最高裁全員合議体判決以降、定期賞与の通常賃金性に関する議論が続いている。

賃金体系と構成

給与は一般に、基本給、職務・職責手当、勤続手当、家族手当、食事代・交通費など各種手当、賞与、成果給で構成される。近年は年功序列型の号俸制から職務・成果中心の賃金体系へ転換する企業が増えており、職務給・職能給・年俸制など多様な設計方式が活用されている。

税金と社会保険

給与は所得税法上、勤労所得に該当し、勤労所得税と地方所得税が源泉徴収される。また、国民年金、健康保険、介護保険、雇用保険などの社会保険料を労働者と使用者がそれぞれ負担する。使用者は毎月、給与明細書を交付しなければならず(労働基準法第48条第2項)、労働者はこれを通じて支給内訳と控除内訳を確認することができる。

最低賃金と賃金関連法令

最低賃金法は、使用者が最低賃金以上を支払うよう強制し、違反時は刑事処罰の対象となる。このほか、労働基準法、期間制及び短時間労働者保護等に関する法律、賃金債権保障法、男女雇用平等法などが、賃金の支払い・保護・差別禁止について規律する。賃金債権は他の債権より優先弁済を受けることが原則であり、消滅時効は3年である(労働基準法第49条)。

最新動向

2024年の最低賃金は時給9,860ウォン、2025年は10,030ウォンと史上初めて1万ウォンを突破した。これに伴い月換算額(209時間基準)も200万ウォンを超え、中小企業や小規模事業者の人件費負担が主要な政策課題として浮上した。また、成果給・定期賞与の通常賃金性の判断基準をめぐる裁判所の判決が相次ぎ、企業の賃金設計リスクが大きくなっており、勤労所得簡易税額表の改正により源泉徴収方式も調整された。さらに、賃金透明性強化の流れに伴い、採用段階で賃金範囲を公開する企業が増え、遠隔・柔軟勤務の拡散により職務基盤の報酬体系と成果連動型インセンティブ設計が広がる傾向にある。2025年には、給与明細書の記載項目の拡大と退職年金の義務化に関する議論も併せて進められている。

関連トピック

  • [[最低賃金]]
  • [[労働基準法]]
  • [[通常賃金]]
  • [[退職金]]
  • [[4大保険]]