網(그물)

糸や紐を網目ができるように編んで作った網状構造物で、漁業・スポーツ・産業・安全分野で幅広く使われる人類最古の織り技術の一つ。

網

概要

網(그물)とは、糸・紐・針金・合成繊維などを網目(目)が規則的にできるように編んで作った網状の構造物である。狩猟と漁労のための道具として始まり、今日ではスポーツ競技場、産業安全、建築、情報通信網の比喩に至るまで、人間生活の全般にわたって使われている。人類が織り技術を習得した新石器時代から存在してきた、最も古い生活技術の一つに数えられる。

主な内容

定義と語源

国語辞典では網は「糸や紐などを網目ができるように編んで作った物」と定義される。'그물'は「그물그물하다(細かく絡み合う)」という古語に由来するという説が有力で、漢字では網(망)に対応する。英語の net はインド・ヨーロッパ語根 *ned-(結ぶ、つなぐ)から出た語で、「結び目」と同じ根を共有する。

歴史

新石器時代の遺跡から網の重り(網を包むもの)と骨針が出土していることから、少なくとも1万年以上前から網が使用されていたことがわかる。古代エジプトとメソポタミアでは、亜麻(アマ)繊維で編んだ網が壁画に登場し、ローマ時代には剣闘士競技場の安全網としても使われた。韓国では三国時代以来、沿岸漁業が発達するにつれて投網・刺網・定置網などが使われ、朝鮮時代の『蘭湖漁牧志』(난호어목지)・『茲山魚譜』(자산어보)のような文献に漁具の種類と用途が記録されている。1840年代にイギリスで最初の機械編網機が登場し、1935年にウォーレス・カロザースがナイロンを発明したことで、網産業は全く新しい局面を迎えた。

構造と製作

網の核心的な単位は網目(mesh)であり、目の大きさと形が捕獲対象の生物の大きさを決める。伝統的には網針と網枠を用いて結び目を作って編む「結び網」が使われたが、現代では糸同士を絡めて熱で固定する「無結節網(Raschel net)」が主流である。網の強度は繊維の太さ(デニール)、目の密度、結び目の種類(サムソン結び、二重結びなど)によって変わる。

材料の変遷

初期には麻・苧・ヤシ繊維などの天然繊維が使われ、耐久性を高めるためにタールや皮を塗った。20世紀半ば以降はナイロン・ポリエステル・ポリエチレン(PE)・ポリプロピレンが主流となり、近年では強度に対する重量が優れたダイニーマ(Dyneema)・スペクトラのような超高分子量ポリエチレン(HMPE)と炭素繊維がスポーツ・産業用の網に使われている。

漁業用の網の種類

  • 刺網(자망, gillnet): 魚がえらに引っかかるように縦に立てた網。
  • 旋網(선망, purse seine): 魚群を囲んだ後、下を絞って捕る大型の網。マグロ・サバ漁の核心。
  • 定置網(정치망, set net): 沿岸に固定設置し、回遊する魚群を誘導・捕獲する。
  • 投網(투망, cast net): 手で投げて広げる円錐形の網。
  • トロール(trawl): 船で引き、底層・中層の魚群をさらって捕る網。
  • 引き網(인망, haul seine): 海岸から両側に引き寄せる網。

スポーツと日常

バレーボール・テニス・バドミントン・卓球・足蹴りバレーなどのネットスポーツの競技用具として使われ、サッカーのゴールネットやバスケットボールのゴールの網も広い意味での網である。日常では防虫網、蚊帳、網ベッド、落下物防止安全網、子供の遊び場の安全網、漁網の形をしたファッション・インテリア素材へと拡張された。建築では網構造(mesh structure)が大空間の屋根や橋梁の安全設計に応用される。

象徴と文化

網は「抜け出せない絡まり」の比喩として定着した。「法の網」、「社会的安全網」、「情報網」、「網にかかる」といった表現がその例である。韓国の民俗では豊漁を祈って網を掛けておいたり、網目が厄を濾し取ると信じる俗信が伝わっている。

最新動向

2024~2025年の網産業最大の話題は持続可能性とスマート化である。

第一に、幽霊漁具(ghost gear)問題が国際的議題として浮上した。海に捨てられた廃漁具は海洋生物を持続的に捕らえ続け、マイクロプラスチックの主要な発生源となる。国連環境計画(UNEP)と国際海事機関(IMO)は漁具の回収・申告の義務化を勧告しており、韓国も2023年から漁具保証金制度と廃漁具回収事業を拡大した。

第二に、生分解性網が商用化の段階に入った。PLA・PBS・PHA系の素材を混ぜ、一定期間後に海水中で分解されるように設計した漁網がノルウェー・日本・韓国で試験運用されている。

第三に、スマート網である。超音波音響発信器やLED照明を目に付着させて混獲(bycatch)を減らす「点灯網」、張力センサーで網の破損と漁獲量をリアルタイムに感知するIoT漁具が普及している。衛星・AI基盤の魚群探知システムと結合し、燃料消費と操業時間を減らす事例も増えた。

第四に、リサイクル素材の循環である。廃ナイロンを再生したエコナイロン(ECONYL)がスポーツウェア・カーペット・新規漁網の原料として再投入され、2025年には主要ブランドが漁網由来の再生繊維の使用比率を公開する傾向にある。

第五に、回収技術のロボット化である。水中ドローンと無人船舶が廃漁具を探知・引き揚げる実証事業が進行中であり、スポーツ分野では圧力・速度・軌跡を測定するセンサー内蔵のスマートネットが訓練データ分析に使われている。

関連トピック

  • [[漁業]]
  • [[釣り]]
  • [[養殖業]]
  • [[プラスチック汚染]]
  • [[結び目]]
  • [[バレーボール]]
  • [[テニス]]