財産分与

離婚時に夫婦が共同で形成した財産を寄与度に応じて分ける制度で、民法第839条の2に根拠を置く。

財産分与

概要

財産分与とは、婚姻中に夫婦が共同で形成した財産を、離婚時または離婚後にそれぞれの寄与度に応じて分ける制度である。民法第839条の2および第843条に根拠を置き、協議離婚と裁判上の離婚のいずれにも適用される。単なる財産の分割ではなく、婚姻共同体の解消に伴う清算的・扶養的性質を同時に帯びる法的手続きである点が核心である。

主要内容

法的性質と根拠

民法第839条の2第1項は「協議上離婚した者の一方は、相手方に対して財産分与を請求することができる」と規定する。第2項は、当事者間の協議が成立しないか協議することができないときは家庭法院に請求できると定める。裁判上の離婚の場合には第843条により第839条の2が準用される。判例は、財産分与請求権を婚姻共同体の解消を前提とした財産的清算請求権であり、扶養的要素を含む権利と見る(韓国大法院 1998年12月29日宣告 97므513 判決など)。これにより、有責配偶者であっても財産分与を請求することができる。

分与対象財産

分与の対象は、原則として当事者双方名義の財産全体、すなわち不動産、預金、株式、保険、退職金、事業体の持分、仮想資産などである。婚姻前から保有していた特有財産や相続・贈与を受けた財産も、相手方がその財産の維持・増加に寄与した場合には分与対象となり得る。一方、名義だけを借りた第三者の財産、婚姻破綻後に形成された財産、性質上分割に適さない財産などは除外され得る。退職金は、婚姻中の勤務期間に相当する部分が原則として分与対象である(韓国大法院 2014年7月16日宣告 2013므2250 判決)。

分与比率と基準

民法は具体的な比率を定めず、家庭法院が当事者双方の協力の程度その他の事情を斟酌して決定するものとする。実務上、寄与度は50:50を基準とするが、専業主婦の家事・育児の寄与度の認定、婚姻期間、財産形成の経緯、各自の職業・所得、年齢、健康状態、扶養の必要性などが総合的に考慮される。過去には30~40%台の比率が一般的であったが、近年は50%前後またはこれを超える事例も増えている。

清算対象と算定

実務では、財産分与の対象となる純財産を算定したうえで分与比率を適用する。夫婦の共同財産総額から共同債務を控除して純財産を求め、これに分与比率を掛けて一方が受け取る金額を算出する。この際、名義変更、現金支払い、分割払い、現物分割など多様な方式が活用される。分与対象財産の価額は、離婚訴訟の事実審口頭弁論終結日または協議離婚の意思確認申請日を基準に評価するのが原則である。

手続きと時効

協議離婚の場合には離婚の意思確認申請日から、裁判上の離婚の場合には離婚判決確定日から2年以内に財産分与請求権を行使しなければならない(民法第839条の2第3項)。この期間を過ぎると請求権は消滅する。ただし、分与対象財産がまだ共同財産として残っている場合には、例外的に請求が認められ得る。手続きは、家庭法院に財産分与請求訴訟を提起するか、離婚訴訟に併合する方式で行われる。

税金と登記

財産分与により不動産を移転する場合には、原則として譲渡所得税は課税されず(所得税法施行令第151条)、取得税・登録免許税も一定の要件の下で非課税または減免される。ただし、分与比率を超える部分や代金清算の性質の支払いなどは課税対象となり得るため、事前の検討が必要である。

最新動向

2024~2025年には、財産分与の実務において幾つかの明確な流れが観察される。第一に、仮想資産(ビットコインなど)や海外株式、ストックオプション、特許権・商標権のような知的財産権が分与対象として積極的に扱われている。第二に、裁判所は専業主婦の家事・育児の寄与を単純な労務ではなく経済的価値の創出と見る傾向を強化し、分与比率を上方修正する事例が増えた。第三に、財産追跡のための財産明示・財産照会申請、金融情報提供請求、事実照会など、証拠確保の手続きがより活発に活用される。第四に、離婚前後の財産隠匿・移転に対する詐害行為取消しや、推定相続・贈与財産の分与問題も主要な争点として浮上している。第五に、調停・家事調査・相談手続きを通じた円満な合意分与の比重が増えており、裁判所は当事者間の自律的な協議を優先的に誘導する方向で運営されている。

関連トピック

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