バイオハザード0

カプコンが2002年にゲームキューブで発売したサバイバルホラーで、アークレイ事件の端緒を扱うシリーズのプリクエル。

バイオハザード0

概要

『バイオハザード0』(Resident Evil 0)は、カプコンが開発・発売したサバイバルホラーゲームである。2002年11月にニンテンドーゲームキューブ用として最初に発売され、シリーズの時間軸上で最も早い事件を扱うプリクエルに当たる。1998年7月にアークレイ山脈で起きた生物化学災害の端緒と、S.T.A.R.S.ブラヴォーチームの隊員レベッカ・チェンバースの活躍を描き、シリーズで初めて二人の主人公をリアルタイムで切り替えながら進めるパートナーシステムを導入した。

主要な内容

開発背景

『バイオハザード0』はもともとニンテンドウ64用ソフトとして開発が始まった。しかし記憶媒体の容量制約と開発方針の変更により製作は中断され、その後ゲームキューブへプラットフォームを移して一から作り直された。カプコン社内の複数の制作陣が関与し、シリーズの世界観を本編1作目より前の時点へ拡張する役割を担った。結果として本作は、ナンバリング前作群の事件がなぜ始まったのかを説明する位置に置かれることになった。

あらすじ

物語はミッドウェスト地方を走っていたアンブレラ所有の特急列車「エクリプティック・エクスプレス」から始まる。列車内では死体と突然変異生物が現れ、乗務員と乗客が犠牲になり、現場に投入されたS.T.A.R.S.ブラヴォーチームのレベッカ・チェンバースは調査を進める中で、脱走容疑で護送されていた元海兵隊員ビリー・コーエンと遭遇する。二人は互いに不信を抱きながらも、生存のために協力することになる。

列車事件の背後には、アンブレラ幹部養成施設の責任者だったジェームズ・マーカス博士の悲劇が横たわる。自分が育てていたリーチ(ヒル)と融合した存在によって引き起こされたこの事件は、アンブレラ内部の権力争い、そしてアークレイ山脈全体を呑み込んだ災害の直接の引き金となる。最終的にレベッカとビリーは地下研究施設で巨大なリーチ形態の最終ボスと対決し、事件の真相とともにそれぞれの選択に直面する。

登場人物

  • レベッカ・チェンバース:ブラヴォーチームの新人隊員。薬品の調合と応急処置に長ける。
  • ビリー・コーエン:脱走容疑をかけられた元海兵隊員。体力が強く、近接武器の運用に長ける。
  • ジェームズ・マーカス:アンブレラ幹部養成施設の元責任者であり、事件の核心人物。
  • アルバート・ウェスカーとウィリアム・バーキン:アンブレラ内部の別の利害関係を示す人物たち。

ゲームシステム

最大の特徴は、二人の主人公を即座に切り替えられるパートナーシステムである。プレイヤーは一方のキャラクターを操作し、もう一方を人工知能に追従させたり、待機させてパズルを解いたりできる。二人がそろっていなければ開けられない協力装置、重量を分担して運ばなければならない構造物などが配置され、パートナーの概念は単なる飾りではなく進行の要として機能する。

またシリーズ伝統のアイテムボックスが削除された。アイテムは好きな場所に置くことができるが、必要な物を置き忘れた場合は戻らなければならない面倒が生じる。これは資源管理の緊張感を高める一方で、好みが分かれる要素として残った。固定カメラ視点とタンクコントロール、限られた弾薬とインクリボンによるセーブ制限など、伝統的なサバイバルホラーのルールも維持された。

評価と影響

発売当時、グラフィックと演出は好評を得たが、パートナー人工知能とアイテムドロップシステム、反復的な動線への指摘が続いた。販売本数はシリーズの主要ナンバリング作品に比べて低めだったが、世界観を拡張しアンブレラの起源を説明する物語上の価値は認められた。その後2008年にWii用に移植され、2016年にはHDリマスターがプレイステーション4、Xbox One、PCで発売され、2019年にはニンテンドースイッチでも発売されて現行機で遊べるようになった。

最新の動向

2016年のHDリマスター以降、『バイオハザード0』は絶えず再注目されている。2020年代に入り、カプコンが『バイオハザード2』『バイオハザード3』『バイオハザード4』のリメイクを相次いで成功させたことで、0とコードベロニカなど後続リメイク対象へのファンの要望が高まった。2024~2025年にはシリーズ30周年を控え、0のリメイク説が何度か取り沙汰されたが公式発表は行われず、カプコンは新作とリメイクを並行開発する方針を維持している。

また、クラウドストリーミングとサブスクリプションサービスを通じて旧作にアクセスする経路が広がり、レトロサバイバルホラーを扱うインディー新作やストリーミングコンテンツで本作の列車導入部とリーチの設定がしばしば引用され、再評価が続いている。アイテムドロップ方式とパートナーシステムは、その後協力型ホラーゲームの設計を論じる際の比較事例として登場する。

関連項目

  • [[バイオハザード]]
  • [[バイオハザード2]]
  • [[カプコン]]
  • [[サバイバルホラー]]
  • [[アンブレラ]]