修正案可決
概要
修正案可決とは、議会・国民投票などの議決機関が提出された原案(original bill)の全部または一部を変更した修正案(amendment)を最終的に承認する手続をいう。原案をそのまま可決する「原案可決」と区別され、憲法改正案・法律案・条約案・予算案など、ほぼすべての規範的意思決定に現れる。修正案可決の可否は単なる手続問題ではなく、議決定足数、修正範囲の限界、事後の公布・国民投票手続をともに決定するため、憲法的・政治的波及力が大きい。
主な内容
1. 概念と類型
修正案は大きく三つに分かれる。第一に、委員会審査過程で導出される委員会代替案(alternative)である。第二に、本会議で議員が提出する修正動議である。第三に、政府が提出した原案を政府自ら修正する修正案再提出である。このうち本会議で修正案が可決されると、当該法律案は修正された文言で確定され、原案のうち修正されなかった部分はそのまま維持される。
2. 憲法改正案の修正案可決
憲法改正案は最も厳格な手続を要求する。大韓民国憲法第130条によれば、国会は在籍議員の3分の2以上の賛成で議決しなければならず、大統領が20日以上の期間これを公告した後、30日以上60日以内に国民投票に付さなければならない。国民投票で投票者の過半数の投票と過半数の賛成を得て確定される。特に憲法改正案を国民投票に付する前に国会が内容を修正するには、事実上再審議に準ずる手続が必要であり、すでに公告された改正案の文言を変更することは政治的に極めて難しい。このため憲法レベルでは「修正案可決」より「原案可決」が一般的である。
3. 法律案の修正案可決
一般法律案は国会法上、在籍議員の過半数の出席と出席議員の過半数の賛成で議決される。委員会で修正された案件は本会議に「委員会案」として報告され、本会議はこれを再び修正できる。ただし本会議で修正動議が成立するには20人以上の賛成が必要であり、委員会で廃棄された内容を本会議で復活させようとするには、在籍議員の3分の1以上の賛成で委員会廃棄を要求しなければならない。
4. 予算案と条約案
予算案に対する修正は、政府の増額修正動議と国会の減額修正が区別される。憲法第57条は、国会が政府の同意なしに予算案の支出を増額したり、新たな費目を設置したりすることはできないと規定する。条約案の場合、国会は同意の可否のみを表決でき、条約の文言を直接修正することはできない。修正が必要な場合は「修正動議」という形で事実上再交渉を要求する。
5. 定足数比較
| 案件類型 | 議決定足数 |
|---|---|
| 一般法律案 | 在籍議員の過半数の出席 + 出席議員の過半数の賛成 |
| 憲法改正案 | 在籍議員の3分の2以上の賛成 |
| 大統領拒否権の再議決 | 在籍議員の過半数の出席 + 出席議員の3分の2以上の賛成 |
| 大統領弾劾訴追 | 在籍議員の過半数の発議 + 3分の2以上の賛成 |
| 国民投票 | 投票者の過半数の投票 + 過半数の賛成 |
6. 事後手続
修正案が可決されると、案件は政府に移送され、大統領は15日以内に公布しなければならない。大統領は再議要求権(拒否権)を行使することができ、この場合、国会が在籍議員の過半数の出席と出席議員の3分の2以上の賛成で再議決しなければ法律として確定しない。違憲性が問題となれば、憲法裁判所の違憲法律審判や権限争議審判の対象となり得る。
最新動向
2024~2025年には主要争点法案が委員会代替案または本会議修正動議の形で処理され、修正案可決が立法紛争の核心変数として浮上した。特に放送・通信・AI規制立法で与野党が原案と代替案をめぐって対立し、一部の法案は政府移送後の再議要求(拒否権)と再議決手続を経て、定足数論争が繰り返された。また、選挙制度改革に関して衛星政党・比例代表配分をめぐる修正案が議論され、修正範囲の憲法的限界をめぐって学界と実務界の検討が続いた。海外では、米国議会の修正案(amendment)の濫用とフィリバスター、欧州連合の条約改正手続において修正要件を強化しようとする動きが観察される。デジタル立法が増えるにつれ、「技術中立性」を確保するための細部文言の修正の重要性も増している。
関連主題
- [[憲法改正]]
- [[国会本会議]]
- [[議決定足数]]
- [[再議要求権]]
- [[国民投票]]
- [[法律案審査]]