在韓米軍
概要
在韓米軍(USFK、United States Forces Korea)は、大韓民国に駐留する米軍部隊の総称であり、韓米相互防衛条約(1953年)に基づき、朝鮮半島の防衛と東北アジアの安定を目的とする。1950年の朝鮮戦争以降駐留が開始され、現在約28,500名の兵力が駐留しており、主要基地としては平沢のキャンプ・ハンフリーズ、大邱のキャンプ・ウォーカー、烏山空軍基地などがある。在韓米軍は韓米連合司令部(CFC)を通じて韓国軍と統合された指揮体系を維持しており、戦時作戦統制権の移管問題と防衛費分担金交渉が主要な課題となっている。
主要な内容
歴史的背景
在韓米軍の駐留は、1945年の日本の敗戦後に朝鮮半島南部に進駐したことに始まる。1948年の大韓民国政府樹立後、米軍は撤退したが、1950年の朝鮮戦争勃発により再進駐し、戦争期間中は国連軍の一員として活動した。1953年の休戦協定締結後、韓米相互防衛条約が締結され、在韓米軍の法的根拠が整えられ、その後冷戦期を通じて北朝鮮の挑発抑止と東アジアの安全保障維持の中核的役割を担った。1990年代には冷戦終結とともに一部兵力が削減されたが、2000年代以降、北朝鮮の核・ミサイル脅威の増大により駐留の重要性が再認識された。
組織と指揮体系
在韓米軍は米インド太平洋軍(USINDOPACOM)隷下の下位統合司令部であり、在韓米軍司令官が韓米連合司令官を兼任する。韓米連合司令部(CFC)は1978年に創設され、戦時には韓国軍と米軍の作戦を統合指揮し、平時には在韓米軍が独自の訓練と維持活動を実施する。主要な構成要素としては、米第8軍(陸軍)、米第7空軍、米海軍基地(鎮海)、米海兵隊の一部が含まれる。2018年から戦時作戦統制権の韓国軍への移管計画が推進中であるが、北朝鮮の脅威と軍事的準備態勢を考慮し、段階的に進められている。
主要基地と配置
在韓米軍の核心基地は京畿道平沢に位置するキャンプ・ハンフリーズであり、2017年に龍山基地から移転完了し、米軍海外基地の中でも最大規模を誇る。烏山空軍基地は航空作戦の中心地であり、大邱のキャンプ・ウォーカーは後方支援の役割を担う。また、群山空軍基地と鎮海海軍基地も重要な戦略的拠点である。兵力配置は陸軍約19,000名、空軍約8,000名、海軍及び海兵隊約1,500名で構成され、最新の兵器体系であるパトリオットミサイル、THAAD(サード)などが配備されている。
防衛費分担金
在韓米軍駐留費用は、韓米間の防衛費分担金特別協定(SMA)を通じて調達される。2024年時点で第12次SMAが締結され、韓国が約1兆1,400億ウォン(約10億ドル)を負担しており、これは在韓米軍の人件費、施設建設、軍需支援などに使用される。分担金の規模は交渉のたびに政治的争点となり、米国の増額要求と韓国の負担限界との間でバランスを取るプロセスが繰り返されている。
軍事的役割と韓米連合訓練
在韓米軍の主要任務は、北朝鮮の軍事的挑発抑止と朝鮮半島の防衛である。このため、毎年定例の韓米連合訓練(乙支フリーダムシールド、フレンドリーイーグル訓練など)を実施し、最近では北朝鮮の核・ミサイル脅威に対応した抑止戦略を強化している。また、サイバー空間と宇宙領域での協力も拡大している。
最新動向
2024-2025年時点で、在韓米軍は以下のような変化とトレンドを見せている。第一に、戦時作戦統制権の移管問題が継続的に議論されており、2025年以降の完全移管を目標とするが、北朝鮮の脅威と軍事的準備状態を考慮し、日程は流動的である。第二に、防衛費分担金交渉において米国は韓国の負担増額を要求しているが、韓国内では分担金規模に対する批判世論が存在する。第三に、北朝鮮の核・ミサイル高度化に対応し、在韓米軍の戦略資産(原子力空母、B-52爆撃機など)の展開が頻繁になっており、韓米間の情報共有とミサイル防衛体系の協力が強化されている。第四に、在韓米軍の再配置と基地近代化が進行中であり、平沢基地の拡張とともに一部基地の返還(龍山、東豆川など)が推進されている。第五に、韓米日軍事協力が強化され、北朝鮮脅威に対する共同対応体制が構築されている。
関連項目
- [[韓米同盟]]
- [[韓米相互防衛条約]]
- [[戦時作戦統制権]]
- [[防衛費分担金]]
- [[韓米連合司令部]]
- [[北朝鮮核問題]]
- [[サード(THAAD)]]
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