棄却

裁判所が訴訟要件を満たさない事件を本案審理なしに終結する裁判上の判断を意味する。

棄却

概要

棄却(ききゃく、기각)は、裁判所が提起された訴訟や抗告、申立てなどが法的要件を満たさないか、理由がないと判断し、本案に関する審理を行わずに事件を終結する裁判上の決定または判決を指す。棄却は、原告の請求が理由がないと判断して請求を排斥する「却下(각하)」と類似するが、却下が訴訟要件自体の欠陥を理由とするのに対し、棄却は訴訟要件は備えているものの、請求内容に法的理由がないと判断される場合に行われる点で異なる。棄却が確定すると、同一の事案について再び訴えを提起できない既判力が生じる。

主要内容

棄却の概念と法的性質

棄却は、裁判所が訴訟の本案(本案)に関する審理を通じて、原告の主張が法的に理由がないと判断し、請求を排斥する裁判である。これは、訴訟要件(例:当事者能力、裁判所の管轄、訴えの利益など)がすべて満たされているにもかかわらず、請求自体に法律上の根拠が不足しているか、証明がなされていない場合に下される。棄却判決が確定すると、同一の訴訟物について再び訴えを提起することはできず(既判力)、これは訴訟の終局的終結を意味する。

棄却と却下の違い

棄却と却下は、いずれも原告の請求を排斥する点で同じであるが、その理由と法的効果に違いがある。却下は、訴訟要件(例:提訴期間の経過、当事者不適格、重複提訴など)に欠陥があるため本案審理なしに事件を終結するのに対し、棄却は、訴訟要件は適法であるが請求内容に理由がないと判断され、本案審理後に下される。却下された事件は訴訟要件を補完して再び提起できるが、棄却された事件は同一の請求で再び訴えを提起できない点で実質的な違いがある。

棄却の類型

棄却は、大きく訴訟における請求棄却と抗告・申立てに対する棄却に分けられる。訴訟における請求棄却は、原告の請求が法的に理由がないと判断される場合に下され、例えば、契約違反訴訟で原告が契約の存在を証明できなかった場合や、損害賠償請求で損害発生事実が認められない場合などが該当する。抗告・申立てに対する棄却は、裁判所に提起された抗告や申立てに理由がないと判断される場合に下され、例えば、仮処分申立てが法的要件を満たさなかった場合や、執行停止申立てが緊急性や必要性を認められなかった場合などがある。

棄却の手続と効果

棄却は、裁判所が弁論を経て判決で宣告するか、決定で下すことができる。判決で棄却される場合(例:本案訴訟における請求棄却)には上訴(抗訴・上告)が可能であり、決定で棄却される場合(例:仮処分申立て棄却)には即時抗告が可能である。棄却が確定すると、同一の事案について再び訴えを提起することはできず(既判力)、これは訴訟の終局的終結を意味する。ただし、棄却判決があっても、新たな事由や証拠が発見された場合には別途訴えを提起できる場合もある(例:再審請求)。

棄却の例

実務で棄却が頻繁に発生する事例としては、以下のようなものがある。第一に、原告が提起した損害賠償請求で、裁判所が損害発生事実や因果関係を認めなかった場合、請求棄却判決が下される。第二に、行政訴訟で原告が行政処分の違法性を主張したが、裁判所がこれを認めなかった場合、請求棄却判決が下される。第三に、仮処分申立てで、裁判所が保全の必要性や緊急性を認めなかった場合、申立て棄却決定が下される。第四に、抗告事件で抗告人が提起した抗告に理由がないと判断される場合、抗告棄却決定が下される。

最新動向

2024年から2025年にかけて、韓国裁判所では棄却判決の増加傾向が観察されている。特に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック後の経済的不確実性の増大により、契約紛争や損害賠償請求訴訟が急増し、裁判所が証拠不足や法的根拠の不備を理由に請求を棄却する事例が増えている。また、2024年に改正された民事訴訟法では、訴訟促進のために棄却判決の基準を明確にし、裁判所が職権で証拠調査を強化できる根拠を設け、棄却判決の正確性を高めている。2025年には、人工知能(AI)を活用した法律文書分析システムが導入され、裁判所が棄却の可否を判断する際に類似判例や法理を迅速に検討できるようになり、棄却判決の一貫性が改善されている。また、行政訴訟分野では、環境・安全規制の強化により行政処分の適法性を争う訴訟が増加し、裁判所が原告の請求を棄却する割合が高まっている。これらの傾向は、裁判所が訴訟濫用を防止し法的安定性を維持しようとする努力の一環として評価されている。

関連項目

  • [[却下]]
  • [[訴訟]]
  • [[判決]]
  • [[抗告]]
  • [[仮処分]]