鼻骨手術

鼻骨(비골)と周辺の軟骨・組織を矯正する外科的施術で、外傷性骨折の整復から美容・機能矯正までを含む。

鼻骨手術

概要

鼻骨手術は、顔面中央に位置する鼻骨(비골)と、それを取り巻く軟骨・軟部組織の形態と機能を外科的に矯正する施術の総称である。外傷による鼻骨骨折の整復術から、鷲鼻や曲がった鼻の矯正、鼻中隔湾曲による鼻閉の改善まで、その範囲は広い。鼻は呼吸機能と外観が同時に関わる部位であるため、形成外科と耳鼻咽喉科が協診し、美容的目標と機能的目標をともに立てるのが原則である。

主な内容

解剖学的構造

鼻骨は左右一対からなる小さく薄い骨で、上方は前頭骨の鼻棘と、側方は上顎骨の前頭突起と連結する。顔面で最も突出した部位であるため、外傷に非常に脆弱である。鼻の上部1/3は骨で、中間1/3は鼻中隔軟骨と上側軟骨で、下部1/3は下側軟骨(鼻翼軟骨)で構成される。したがって鼻骨手術は単なる骨の手術ではなく、骨・軟骨・皮膚を網羅する複合手術として理解すべきである。

適応症

  • 外傷性鼻骨骨折:多くは2週間以内に閉鎖整復が可能で、それ以降は癒合した骨を再度骨切りする必要がある。
  • 美容的鼻変形:鷲鼻、曲がった鼻、低い鼻筋、上がり鼻など。
  • 機能的問題:鼻中隔湾曲症による鼻閉、いびき、慢性鼻炎、反復する副鼻腔炎。
  • その他:先天性顔面奇形、口唇裂・口蓋裂の後遺症、腫瘍切除後の再建。

手術方法

1. 閉鎖整復術:鼻腔を通じて骨折片を元の位置に押し戻す方法で、急性骨折に主に施行され、瘢痕が残らない。

2. 開放整復術:鼻柱(コルギドゥン)を切開し、骨折部位を直接見ながら正確に整列・固定する。複雑な骨折や顔面骨骨折を伴う場合に用いられる。

3. 鼻骨骨切り術:内側・外側骨切りを通じて鼻骨を狭くしたりまっすぐにしたりする術式で、曲がった鼻や広い鼻の矯正の核心である。

4. 隆鼻術:鼻筋の高さを高める手術で、プロテーゼまたは自家組織を使用する。

5. 鼻中隔形成術:曲がった鼻中隔をまっすぐに伸ばして呼吸を改善し、自家軟骨の採取部位としても活用される。

6. 使用材料:シリコン、ゴアテックス、PEEKなどの人工プロテーゼと、鼻中隔軟骨・耳介軟骨・肋軟骨・真皮脂肪などの自家組織がある。最近は自家組織の選好度が高まる傾向にある。

術前評価

顔面コンピュータ断層撮影(CT)とウォーターズビュー単純X線撮影で骨折の様相と副鼻腔の状態を確認し、鼻内視鏡で鼻中隔と粘膜を観察する。正面・側面・斜位写真と3Dスキャンで非対称を分析し、アスピリン・抗凝固薬の服用歴、アレルギー、高血圧、糖尿病、喫煙の有無を必ず確認する。

麻酔と手術時間

局所麻酔と鎮静法を併用するか、全身麻酔を施行する。単純閉鎖整復は30分前後、骨切り術と隆鼻術を同時に行う複合手術は2〜3時間程度を要する。

回復と合併症

術後2〜3日間は腫脹と内出血が激しく現れ、1〜2週間かけて軽快する。鼻骨固定用の副木は5〜7日、縫合糸は5〜7日後に抜糸する場合が多い。主な合併症としては出血、感染、鼻腔狭窄、鼻中隔穿孔、嗅覚低下、プロテーゼの逸脱、再発および非対称があり、まれにプロテーゼやフィラーが血管に入り視力低下や失明を引き起こす眼合併症が発生することがあるため、即時の対応が必要である。禁煙、血圧管理、眼鏡装着の自粛、鼻をかむことの禁止などが回復に重要である。

最新動向

2024〜2025年時点で、鼻骨手術の分野は精密化・低侵襲化・自家組織中心へと再編されつつある。超音波骨切り術(ピエゾ)は軟部組織の損傷を減らし、骨片を精巧に整えて回復期間を短縮する方式として普及している。3DプリンティングとPEEK素材を用いた患者オーダーメイドのプロテーゼ、AIベースの顔面比率分析と仮想手術シミュレーションが手術計画段階に導入され、結果予測の精度が高まった。無プロテーゼ鼻整形(自家軟骨・真皮脂肪移植)の選好が明確になり、機能と美容を同時に解決する鼻中隔鼻整形が標準に近づいた。術後の早期回復プロトコル、吸収性固定材料、疼痛管理プロトコルも普遍化しており、鼻中隔湾曲症など機能的な問題に対する矯正は健康保険が適用され、純粋な美容目的は非給付として区分される基準が維持されている。

関連項目

  • [[鼻中隔湾曲症]]
  • [[鼻骨骨折]]
  • [[隆鼻術]]
  • [[形成外科]]
  • [[耳鼻咽喉科]]