比例代表制
概要
比例代表制(Proportional Representation)は、選挙において各政党が得た得票率に比例して議席を配分する選挙制度である。多数代表制が「勝者総取り」の傾向が強いのに対し、比例代表制は少数政党の議会進出を容易にし、国民の多様な政治的意見を議会に反映することを目的としている。特に、政党の得票率と議席占有率の乖離を縮め、「死票」を最小化することが核心的特徴である。
主な内容
基本原則
比例代表制は、政党が得た得票数に比例して議席を分ける方式である。例えば、全体の有効投票の20%を得た政党は、全体の議席の約20%を占めることになる。そのために、各政党は選挙前に候補者名簿(政党名簿)を提出し、有権者は政党に投票する。個別候補ではなく政党に投票するため、政党中心の政治を強化する効果がある。
類型と方式
比例代表制は、大きく政党名簿式(List PR)と単記移譲式(STV)に分かれる。
- 政党名簿式: 有権者が政党に投票すると、各政党は得票率に応じて議席を受け取り、事前に提出した名簿の順序に従って当選者を決定する。名簿が閉鎖的か開放的かによって、有権者が候補者選択に影響を与えることができる。
- 単記移譲式: 有権者が候補者に順位を付けて投票し、一定の得票に達した候補者は当選し、残った票は他の候補者に移譲される。複数政党制の下で比例性を高めると同時に、地域区の代表性も維持できる。
- 混合型制度: 地域区選挙と比例代表選挙を併用する方式で、ドイツの連動型、韓国の並立型および準連動型などがある。連動型は地域区議席配分の結果を調整して全体の議席比例性を高めるのに対し、並立型は二つの選挙の結果をそれぞれ配分する。
長所と短所
比例代表制の長所は次のとおりである。
- 国民の多様な政治的意見を反映できる。
- 死票が減り、投票の効用性が高い。
- 少数政党や女性、少数者の代表性を高めることができる。
- 政策中心の政治競争を促進する。
一方、短所も存在する。
- 政党の力が強くなり、候補者個人の資質や地域代表性が弱くなることがある。
- 連立政権が頻繁になり、政局が不安定になることがある。
- 極端な少数政党が議会に進出し、過激主義を助長する危険がある。
- 政党名簿の順位をめぐる内部対立が発生することがある。
主要国の事例
ドイツは連動型比例代表制の代表的な国で、地域区議席と比例議席が連動して全体の比例性を重視する。ニュージーランドも1996年から混合比例代表制(MMP)を採用し、少数党の躍進と連立政治が活性化された。オランダとイスラエルは全国単一選挙区の政党名簿式比例代表制を用いており、議席配分の比例性が非常に高い。アイルランドとオーストラリアの下院(上院)は単記移譲式を一部使用する。
韓国の比例代表制
韓国は1963年の第6代国会議員選挙から比例代表制を導入した。現在の国会議員選挙では、地域区(253議席)と比例代表(47議席)に分かれており、2020年の第21代総選挙から「準連動型比例代表制」が適用された。準連動型は、地域区議席と比例議席を連動させて政党得票率に近づくように議席を配分する方式だが、「衛星政党」など制度の死角を利用した抜け穴が現れ、議論となった。これにより、政界では選挙制度の改編をめぐる議論が続いている。
最新の動向
2024年の第22代総選挙を控え、韓国では比例代表制の改編議論が活発に進められた。2023年に中央選挙管理委員会が提示した市民社会の議題としては、圏域別比例代表制、オープンプライマリー、衛星政党禁止などが含まれた。しかし国会は2024年2月、既存の準連動型を維持した上で比例代表議席を47議席から50議席に増やす内容の公職選挙法改正案を可決させた。2024年4月の総選挙では、共に民主党が主導する汎野党が比例衛星政党である「共に民主連合」を、国民の力は「国民の未来」を創党し、それぞれ比例議席を獲得した。こうした衛星政党の登場により制度的欠陥が再び露呈し、専門家らは根本的に連動型を強化するか、ドイツ式連動型を採用すべきだとの声を強めている。2025年現在、各党では選挙制度改革のための法案が発議されているが、与野党の意見の隔たりにより可決されていない。主要な争点は、議席規模の拡大、圏域別比例、政党名簿公認過程の民主性などである。また、青年や女性などの代表性を高めるための比例名簿義務割り当て制の導入も議論されている。
関連項目
- [[選挙制度]]
- [[多数代表制]]
- [[準連動型比例代表制]]
- [[衛星政党]]
- [[混合選挙制度]]